環境心理モデル
環境心理モデルとは1974年に心理学者のメラビアンとラッセルが提唱した、
「外部刺激が人間の感情にどのように影響を与え、最終的にどのような行動に影響を与えるか」
を示したモデルです。
具体的には
(1)外部刺激 → (2)感情 → (3)行動
というように、外部刺激による人間の行動の変化は感情の変化が媒体になります。
(1)ここでいう外部刺激(例:店舗雰囲気)とは、人間によって知覚されるもので、以下の3種類の側面に分類できます。
- 新しさ
- 大きさ(広さ、混雑さ)
- 複雑さ
マーケティングの第一人者である、フィリップ・コトラーも1973年に、ストアの雰囲気とそれが買い物に与える影響についての体系的な解説を試みている。コトラーの述べる雰囲気とは、買い物環境におけるトータルな“デザイン”の効果である。そして、消費者の中に購買意欲を高める独特の「エモーショナルな効果」でもある。
コトラーは、雰囲気とは感覚を通して理解されるものであるとした。
その主要な感覚チャネルは、「視覚(色、明るさ、大きさ、形)」、「聴覚(ボリューム、調子)」、「嗅覚(香り、新鮮さ)」、「触覚(柔らかさ、滑らかさ、温度)」である。5つめの感覚である「味覚」は“雰囲気”に直接適用されないが、“味わい”や“経験”として記憶されるとしている。
また、コトラーは雰囲気のデザインは全ての売り手に重要というわけではなく、
- 製品が買われたり消費されたりする場所、または売り手にデザインの選択権がある場所
- 競争が増大した際
- 製品あるいは価格面の差異が小さな分野
- 製品が明確な社会的階級、またはライフスタイルを持つ消費者グループを対象としている
上記の場合において、より意味のある、有効なものとなると述べています。
(2)感情というのは、以下の3つの側面で測定されます。
- 満足:快・不快や満足さの程度
- 興奮:刺激を感じる程度
- 支配:統制されていると感じる程度
(3)そして行動というのは先に述べた感情の程度によって接近と回避の2通りの行動が現れます。
具体的には、下記の4つの側面で接近と回避の程度が測定されました。
- 状況に留まりたい
- 状況を探索したい
- 状況で作業したい
- 状況に属したい
Donovan, Rossiter, Marcooloyn, and Nesdale (1994)は、買い物経験におけるエモーションとムードの状況との関連、支出と滞留時間、店内で使った金額および時間について、環境心理モデルを用いた調査を行った。
その結果、「満足」は滞留時間と計画外購買のどちらにも重要な関連が見られた。
「興奮」は計画外購買で負の関連があることが示され、大きな興奮経験は当初の予測よりも尐ない支出に結びついていた。
さらに、滞留時間延長においては、エモーショナルな要素がより重要であることが明らかになった。
ストアにおける買い物客のエモーショナルな状況は、単に態度や意図のみでなく実際の購買行動を予測することも証明された。